全国大会入賞経験者の私が、走高跳初心者を指導するなら・・・

陸上競技好きのみなさんこんばんは!
15年以上競技を続け、10年以上指導に携わってきた陸上おじさんです。

さて、タイトルの通り、走高跳の初心者への指導ってどうされていますか?
今まで『走高跳選手を育てるのは変わり者だ』という声もたくさん聞きました。
また、私の方には様々な学校から『教えに来てくれませんか?』という問い合わせもいただきます。

陸上競技の中で『走高跳』という種目は『技術系』の種目に分類されています。
習得するための技術が多く、他種目で必要な技術とはタイプが違うため、走高跳未経験者であれば指導することが困難な種目です。

現在このブログを読んでくださっている方は、少なからず『走高跳』について何かを知りたいという思いですよね?
求められている内容に沿うことができるよう、今まで経験したことを詰め込んでお話ししますので、ぜひ参考にしていただき明日からの指導や練習に取り入れてみてください。

目次

走高跳初心者に指導するなら・・・

※内容のほとんどは中学生以上の選手指導に向けてです。

まず走高跳を取り組むにあたり、今後絶対に必要な技術があります。
それは『背面跳び』です!
これですね。

背面跳びを習得するまでに時間がかかる選手と、見よう見まねでそこそこ上手に跳べてしまう選手に分かれます。
この背面跳びを習得するために行う指導・練習方法は様々ですが、初心者~中級者に取り組んでほしいメニューとポイントを紹介します。

背面跳びの技術を習得しよう

①その場でブリッジ

ブリッジが背面跳びの『形作り』に有効です。
ただブリッジするのではなく、あごをしっかり上げること、お尻を締めることの2つを意識させてください。
※ブリッジができない選手であれば、膝を立てて寝ころんだ状態から足と肩・頭で体を支えて腰を浮かせることをやってみましょう。コレもポイントはお尻を締めることです。

クリアランス(バーを位するまでの技術)であごを上げる(頭頂部を落とし込む)と、自然と体がうまく反れます。タイミング良くあごを上げると一番重い腰~お尻の部分が跳ね上がります。
(高いレベルの話をすると、頭~方~胸のあたりまでをバーを越えたら一気に落とし込むことができると最高です!)
『お尻を締める』理由は、締めることにより数cm体を反れるからです。
お尻を締めてあごを上げることができれば、初心者で多い『座り跳び』『腰かけ跳び』が無くなります。

上記のイラストではお尻を締めることができていないため、腰の落ちたクリアランスになっています。
このイラストはお尻が少ししまった状態です。
あごを上げきれていない(頭頂部を落とし込めていない)ため、体の『反り』は少ないです。

②マットへ跳び込み~後転

背面跳びは背中から(理想は首~肩)マットへ着地します。
初心者はこれに恐怖心を抱きます。(特に女子選手)
その恐怖心を無くすために、実際に跳んでみてどのように体が動いていくのかを知る必要があります。

最初はバーをかけずに、マットに背中を向けて立ち、両足でマットへ跳び込んでみましょう。
着地したらその流れのまま後ろに後転をしましょう。
※最初は勢いがなく、後転までつながらないことが多いです。マットの下にタイヤ等を置いて、傾斜をつけるとスムーズに後転までつなげることができます。

次に助走をつけて片足で跳び、同様に背中からマットに着地~後転をしていきます。
この練習もマットの下にタイヤ等を置いて傾斜をつけるとスムーズに回れます。

③その場背面跳び

いよいよバーをかけて跳んでみます。
最初はできたらゴムバーを使ってやりましょう。(背面跳びでバーの上に乗ったらかなり痛いです)

【レベル1】
低い高さ(1m以下でもOK)で、バーに対して背中を向けて立ち、②と同じように跳びます。
バーをクリアする感覚も養えますので、横から見て余裕があれば少しずつ高さを上げていきましょう。

【レベル2】
慣れてきたらバーに対して斜めに立ち(45度くらいかな)、同様に両足で跳びます。
最初は慣れずに斜めに着地する選手が多くなりますが、体の使い方が上手な選手はすぐに体をひねって背中から着地できるようになります。

【レベル3】
レベル2と同様に斜めに立ち、一歩両脚ジャンプして着地した瞬間に両足でクリアしていきます。
地面に着地した『反発で』跳ぶように意識しましょう。
これは慣れるまで時間がかかりますが、中級者でも取り入れてほしい内容です。

【レベル4】
ボックス等で高さを出し、バーもその分高く設定します。
滞空時間が長くなりますので、空中感覚やクリアの間隔を養うことができます。
これも上記のレベル1~3と同様にやると、徐々にレベルが上がっていきます。
※ある程度間隔を掴んでから実施してください。真上に跳んでしまうとマットに着地できずにケガしてしまう恐れもあります。

以上が『背面跳び習得』のための初心者への指導ポイントです。

踏切の姿勢と感覚を身につけよう

①踏切時の姿勢は?

走高跳の踏切は特殊な動きをします。
特に『踏切姿勢』は、普段の生活や陸上競技の練習においても『不必要』な動きになります。

画伯が上記のすばらしい絵で説明します。笑

走高跳の踏切姿勢は、体を斜め後ろに倒したような姿勢になります。
※一般的な踏切姿勢です。すべてがこの形に当てはまるわけではありません。

姿勢づくりのために、まずはその場で形をつくっていきましょう。

①軽く膝を曲げて踏切脚をまっすぐ前に出す
基礎中の基礎です。上記の絵の形をまずはつくってみます。
ポイントは足首・腰・肩が斜め後ろに一直線になっていること。(上記の絵の赤い線のように)

※この姿勢を『後傾姿勢』といいます。

ただただこの姿勢をつくるだけではなく、膝・お尻・腹筋を締めてやりましょう。
どこか一部の力が抜けていると、その部分から力が逃げていきます。

②一歩進んで①の姿勢をとる
ほんの少しだけ前へ行く力が加わります。
この『ほんの少しの力』が加わるだけでも、締まりがないと『ぐにゃぐにゃ』になり、いい踏切になりません。

③1・2・3の早いリズムで①の姿勢で止まる
②でお伝えしましたが、前へ行く力がもっと加わります。
締まりがないとどうなってしまうのかはご想像の通りです。

※実際の跳躍を横から見て、踏切時にこの姿勢ができていないとおそらく『上』にではなく『前』に跳んでしまう、いわゆる『流れた』跳躍になります。
『走高跳』の踏切は、前へ進んでいく力を垂直方向へ変えていくことが一番の課題です。
物理が得意な人はこの意味は理解できますよね?

踏切での重心移動

意外と意識していない選手が多いです。
まぁ、意識しなくても自然にできている選手がほとんどなので・・・。

じゃあその自然にできている重心移動ですが、足の裏の体重のかかり方は説明できますか?と問いたい。

足の裏における体重のかかり方=重心移動は、踏切脚のかかと→小指側→母指球という流れです。

上記の後継姿勢を取りに行くとき、初心者は『つま先』から突き刺すように地面を捉えにいく選手が多々見られます。
走高跳の踏切では、『体重の5~8倍』力がかかると言われています。
体重50kgの選手は250kg~400kgの力がかかる計算です。

その力を『つま先』だけで受け止めきれますか?
潰れずに垂直方向へ力を持っていけますか?

おそらく無理でしょう。
ですからしっかりと踵から接地し、足の裏全体で力を受け止めるために重心移動がどのように流れていくのかを知ることも必要です。

ちなみにこれらの技術を養うためのメニューは、他の記事で詳しく説明しています。
メニューに加え、意識すべきポイントも記載しましたので、そちらも併せてご覧ください。↓↓↓

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実際に跳んでみよう

いよいよ跳躍練習です!
上記の基本的な動きづくりは、ぶっちゃけ毎日やった方がいいです。

どのスポーツにおいても基礎基本は非常に大切です。
身につくまで毎日でもやりましょう。

自由に跳んでみる

さて、跳躍練習ですが、まずは自由に跳んでみましょう!
はさみ跳びの練習も入れてもいいです。
はさみ跳びも背面跳びも、踏切方は基本的には同じです。
踏切を特に意識する練習では、はさみ跳びで跳べる高さまで挑戦していくこともいい練習方法になります。

ちなみに私が生涯記録を出したのは、練習を全くしなくなって3年後でした。笑
普段は開始の高さを190or195くらいにしていましたが、久々の試合でしたので、最初ははさみ跳びでスタートしました。
185くらいで1本落としたため、背面跳びに切り替えたところ、いつもより『ハマる』感覚があり、結局自己ベストを更新しました・・・。

現役の時に試しておけばよかった・・・。泣

というように、はさみ跳びの練習は踏切を力強くしたり、しっかり踏み切る意識づけのために取り入れるのもおすすめです。
※そこそこのレベルの私でも効果があったので、初心者はもっと効果が得られると思います。

歩数を決めて跳んでみる

3歩・5歩・7歩とか、短い助走で確実に踏切位置が合うように跳んでみましょう。

『いつも同じ位置で踏み切る』ことで、踏切位置の感覚が養えます。
最初はスピードはそこまで考えなくていいので、踏み切りやすいリズムとスピードで背面跳びをしていきましょう。

短い助走であれば、疲労もそこまで溜まることなく何本でも反復して跳躍練習ができます。
最初はとにかくバンバン跳んでいきましょう!

助走のことを考え始める

背面跳びを始めて少し経ったら、おそらく違和感が生まれてきます。
はさみ跳びは直線的なじ助走でも問題なかったが、背面跳びでまっすぐ助走をしていたら『跳びにくい』と感じるでしょう。

ここで背面跳びをしやすくするための助走を考えていきます。

『J』型の助走をしてみる

背面跳びをしている選手のほとんどがアルファベットの『J』の軌道で助走をしています。
このような感じです。
背面跳びは、曲線を走りながら踏み切ります。

車でそこそこスピードを出してコーナーを曲がると体が外に流されていきますよね?
その力を使います。
曲線を走って外に振られる力を利用すると、自然と体が回転します。
つまり、背中から着地するためにわざわざ体を『捻る』ということをしなくてもいいんです。

真上にだけ跳ぶことを意識すれば、『捻る』動作とそのための力を使わなくてもよくなります。

『J』型の助走がやりにくい場合は、サークル(円)を描いて、ぐるぐる走りながら跳んでみると感覚がわかります。

この外に振られる力を加えるために、少しスピードを上げながら曲線を最後まで走り抜けてください。

歩数を決めていく

『J』型の助走をしていくにあたり、助走の局面を2つに分けて考えてみましょう。

①助走前半(スタートから曲線助走に入るまで)
まっすぐスピードを上げながら走ります。
ここでしっかりと地面を押しながら1歩ずつスピードを上げていきましょう。
まずはスタートから5歩程度でいいと思います。

②助走後半(曲線部分~踏切まで)
直線助走でスピードを上げてきました。
ここから曲線に入りますが、意識するポイントがいくつかあります。
【意識するポイント】
・曲線を何歩走るか

・スピードを落とさない
・腰を浮かせない
・リズムアップ
などです。

多くの選手が曲線は4~6歩で走っています。
ちなみに私は4.5歩という感覚でした。
(1歩は少しだけ内に入り、残りの4歩でしっかりと曲がり切る意識です)

自身の跳躍に合った助走をしっかりと身につけてください。

ケガの予防に努めよう

走高跳をやっていると、どうしても痛めやすい部位があります。(個人的な感覚かもしれませんが)
実際に私は『腰』と『膝』と『足首』を痛めました。

足首のケガ

私は『足首』の靭帯損傷と亀裂骨折を経験しました。
中学校3年生の大阪室内陸上(2位)で、跳躍の途中で痛めました。
競技人生で唯一の『途中棄権』を経験したのもこの大会です。

なぜケガをしたのかというと
このように、バーに対して踏切脚が『平行』に踏み切っていたからです。
このような『踏切脚の角度』が原因で起こる弊害はこちらの記事で載せていますのでご確認ください。

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特に痛めやすい腰と膝

私は走高跳を専門としてやってきて『腰』と『膝』に慢性的な痛みを持ちました。
特に『腰』は現在でも慢性的に痛くて、時には立ち上がることも嫌になるほどです。

陸上競技を専門的にやっている選手は常にケガの予防が必須です。
練習強度が高いため、疲労も蓄積しやすいです。
日々のケアが非常に大切であり、レベルアップしていくためには高い強度の練習を『継続』して行うことが何より重要です。

日々のケア

私が行ってきた体のケアは、アイシングと接骨院に通うことでした。
ストレッチは毎日行っていませんでしたので、体はガチガチにかたいです。

最近では『筋膜ローラー』などで『筋膜はがし』をしている選手が多いですね。

現在私がおすすめするのは『リカバリーサンダル』です。
普段サンダルばかり(クロックス)履いていましたが、仕事の疲労から色々なものを検索して辿り着いたのが『リカバリーサンダル』です。

現在私が履いているサンダルは『OOFOS(ウーフォス)』のリカバリーサンダルです。
これです。

リカバリーサンダルって普段聞きなれないですが、簡単に言うと『疲労回復』するためのサンダルだそうです。

実際の履き心地としては、足全体をやさしく包み込んでくれて『もふっ』って感じですね(^^)笑
地面への衝撃が吸収され、足首・膝・腰への負担が激減します。
ぶっちゃけ今まで履いてきたサンダルの中で断トツのお気に入りです。

このサンダルを履いて立った瞬間に違いがわかります。
驚いたのが、履いて立ったら姿勢が確実に良くなる点。
『腰がしっかり乗る』という感覚が感じられ、背が高くなったような感覚になります。
(底が厚いのと腰が乗るため、実際に高くなり目線が変わります)

ケガの予防や疲労回復は選手にとって一番気をつけないといけないこと。
体のケアのためにこの『OOFOS』のリカバリーサンダルは欠かせないものです。

普段サンダルで生活していて、ソールの薄いサンダルを履いている人は試してみてください。
リンクを貼っておきますので、詳しくはこちらをご覧ください↓↓↓
[ウーフォス] リカバリーサンダル OOahh Sport(ウーアースポーツ) Wave 28 cm

画像はこちら↓

終わりに(まとめ)

走高跳初心者~中級者への指導方法や練習方法を語ってきました。
実際に走高跳という種目は技術や感覚的なことも多く、指導をするのが難しい種目です。
今回語ってきた内容は、特に中学生になって初めて背面跳びをし始めた選手にとってはかなり重要な内容です。
ぜひ活用して、選手のレベルアップを期待しています。

最後にこの記事のまとめを載せておきます。

【この記事の内容まとめ】
◎背面跳びの技術を習得しよう
中学生になって初めて取り組む背面跳びの指導法を載せています。◎踏切の姿勢と感覚を身につけよう
他の種目にない特徴的な踏切姿勢と、踏切のコツを他記事と組み合わせて紹介しています。◎実際に跳んでみよう

◎助走のことを考え始める
背面跳びをするためには『J』型の助走が必須。練習方法も載せています。

◎ケガの防止に努めよう
走高跳において多い怪我と注意点を載せています。他記事へのリンクを貼ってありますので、詳しくはそちらもご確認ください。
また、超おススメのリカバリーサンダル『OOFOS』についても触れています。

長々と語りました。
最後まで読んでくださった方、ありがとうございます!!

僕

この記事を読んでくれた選手や指導者の方々へお願い。
練習は何よりも『継続』が大事です。
走高跳の技術習得にはかなりの時間と練習が必要です。
『種目練習』の時間をたくさんとってあげてください!!

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