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全国大会で複数回入賞した私が、常に意識しながら行ってきた走高跳練習メニューとは?

陸上競技において、種目練習は非常に重要な練習メニューです。
跳躍選手であれば、跳躍練習をしないことには技術は身に付きません。
技術が身につかないと記録も伸びません。
走り幅跳びのように、スピードがついたら記録が伸びやすくなることはありますが、跳躍練習を疎かにしてしまうと潰れた踏切になってしまいます。
私の専門種目は『走高跳』でしたが、週に2回程度は跳躍練習が必要でした。

ここでは全国大会で複数回入賞した経験のある私が行ってきた跳躍練習メニューの一部と、「何を意識して」取り組んでいたのかを語っていこうと思います。
『跳躍練習準備編』といったところでしょうか。
準備段階の練習ですが、普段しっかりと取り組んでいる選手と疎かにしている選手では跳躍練習の効果が変わると、私は考えています。

目次

走高跳練習:踏切ドリルの種類と意識

私は跳躍練習は2時間前後の時間を費やしていました。
その前にもちろんウォーミングアップを入念に行いましたので、合計3時間前後使っています。
『跳躍練習=跳ぶ事』だけではないと思います。
私は跳躍練習の前に必ず踏切ドリルを入れていました。

踏切ドリルメニューと意識すること
①足の裏の重心移動確認
踵から地面に接地し、地面を踏みしめるようにつま先に向かって体重移動をします。跳躍の基本中の基本です。

②突き刺し
後傾姿勢(足を前に出し、体が斜め後ろに残った状態)で踏切脚を地面に突き刺して戻る動きを繰り返していく。突き刺すことだけを意識すると、つま先からの接地になりやすいため、フラット(足の裏全体)な接地を心掛けていました。
接地した瞬間に反発をもらうように一瞬で力を入れ、地面をはじき返す意識で行います。

③リバウンドジャンプ
両脚で膝を曲げずに地面の反発+腕の振り込み+足首の返しのみで、まるでバスケットボールのドリブルのように弾みます。
地面の接地は一瞬・滞空時間を長くする意識で行います。
ボックスを数台並べたり、ミニハードルを並べてやることもありました。

④スキップ
普通のスキップではなく、踏切脚だけ思いっきり高く跳ぶスキップです。
逆脚の時は低く速く、踏切脚では滞空時間を長くすることを意識します。

⑤1歩踏切
姿勢よく立った状態から軽く膝を曲げ、踏切脚を一歩前に出して真上にジャンプします。
1回跳んだらもう一度繰り返します。
全身を使って、すべての力を垂直方向へ変えることを意識します。

⑥3歩踏切
『ターン・タ・ターン』or『タ・タ・ターン』のリズムで垂直に跳ぶ意識で行います。
⑤の一歩踏切より少しスピードがついているため、後傾姿勢ができていないと『前へ』跳んでしまうことが起こります。
踏切の1歩前は素早く、後傾姿勢をとり、体全体で高く跳びます。

⑦バウンディング
距離を出すバウンディングではなく、踏切脚も逆脚も『上へ』跳びます。
10mを4歩程度で越えるバウンディングではなく、10mで20歩くらい跳ぶようにします。
1歩1歩全力で上に跳びましょう。

助走ドリルの種類と意識

走高跳は踏切と助走がうまくかみ合わないといい跳躍はできません。
ではどのような助走が理想であるか・・・
それは『踏切が潰れないスピードに乗った助走』だと私は考えています。
私が特に重要だと考えているのは、助走後半の5歩の動きです。
細かいことを言うと、前半の助走も非常に重要ですが、後半5歩は特に重要であると考えます。

またまた不細工な絵が登場しましたが、走高跳選手のほとんどが行っている『背面跳び』に必要な助走図です。
前半は直線的にスピードを上げていく局面・・・
後半は曲線を走りながら踏切準備→踏切へと移行していきます。
ここで重要なことは(私の経験上)、曲線はどうしてもスピードが落ちてしまうが、そこを最後の踏切まで上げきる事です。
実際に何百人も選手を見てきましたが、踏切3歩前くらいから踏切準備でスピードが落ちてしまう選手をたくさん見てきました。
最後までスピードを上げきれる選手はレベルの高い選手に多いです。
かといって上げすぎると、スピードに耐え切れず潰れた踏切になり、失敗跳躍になりますのでここの見極めは非常に重要なポイントです。
では助走の練習メニューをいくつか紹介します。

①低重心歩行
まずは歩行から。「走るんじゃないの?」という声が聞こえてきそうですが、形作りは必要です。
姿勢よく立った状態から軽く膝を曲げ、腰の位置を変えないように歩きます。
脚は極力前でさばきましょう。

②低重心走
①の状態で走ります。
腰が高くならないように走りましょう。
踏切で腰の位置が高すぎると地面に大きな力を加えることはできません。
踏切を意識し、低い重心でスピードを上げましょう。

③低重心走~踏切
少し踏切ドリルに近い練習ですが、低い重心のままスピードを上げ、15m程度走ってから真上に踏み切ります。
踏切の際、腕やリードレッグの動きを意識しましょう。

④コーナー走
曲線をスピードを上げて走ります。
左足踏切であれば左回り、右脚踏切の選手は右回りです。
これも脚は前さばきを意識し、スピードを上げましょう。

⑤サークル走
コーナー走と同様です。
半径4mくらいの円を描き(石灰やマーカーなどで)、円に沿って走ります。
私は円の真ん中を見るように、重心が高くならないように意識をして走っていました。

⑥リズム走
ミニハードルを6足長くらいの間隔で10台置き、これも前さばきでリズムを上げながら走ります。
跳躍の走り方と普段の走り方は違いますので、リズムを上げる意識をしっかり持って走りましょう。

⑦全助走
これは跳躍直前に行っていました。
実際の跳躍と同様の助走をし、踏切→マットに脚から着地します。
この時、バーは外しておくorかなり高い位置にかけておいて飛びつきをするといいかと思います。

各種ドリルの必要性

冒頭にも軽く触れましたが、各ドリルは必要かどうか?
私はメインの跳躍練習に入る前のドリルは絶対に必要であると考えています。
ドリルの必要性は大きく2つ(他の選手にしたらもっと多いかもしれませんが・・・)あります。
①基礎基本的な動きを定着させる
自分自身の跳躍に必要な動きを身につけるためにドリルを入れます。
全てが跳躍に結びついているのかはわかりませんが、色々な動きをすることで新たな発見もあったり、課題も見えてきたりします。
また、確実に取り入れたい動きを意識しなくてもできるようにすることも狙いの一つです。
1本の跳躍で意識できることはおそらく1つか2つ程度です。
アレコレいろんなことを考えながら行う跳躍は、ほぼほぼ失敗跳躍につながります。

②跳躍に必要な筋肉に刺激を入れる
この要素がかなり大きいです。
跳ぶために必要な刺激を入れることで、跳躍のパフォーマンスが向上すると考えています。
走るメニューの時と、ウエイトトレーニングの時、跳躍練習をする時・・・
状況に応じて必要な筋肉は違います。
跳躍練習の前にはしっかりと跳躍に必要な筋肉に刺激を入れておく必要があります。
ケガの防止にもつながりますので、「時間がないから」と跳躍ドリルを軽視せず、しっかりと取り組んでください。

終わりに

跳躍ドリルや助走ドリルは、あまり準備物も必要なく、スペースもさほど取りません。
新型コロナウイルスで練習場所が限られている今、基礎基本を身につけるためにもドリルの重要性をしっかりと理解し、思いっきり跳躍練習ができるようになったときにレベルアップしていくためにもどんどん取り入れてください。

僕

走高跳選手のさらなるレベルアップを願っています。

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