鹿児島国体1年延期は妥当か?元国体運営関係者の私の視点では・・・

全国に出されていた『緊急事態宣言』が解除されました。新型コロナウイルスの猛威も若干収まってきている状況です。

緊急事態宣言が解除されましたが、日本国内のスポーツ大会やイベントは軒並み中止決定が後を絶ちません。

全国中学総体、インターハイ、さらには夏の風物詩の全国高校野球(甲子園)まで中止が決定されました。

そして現在話題になっている大会が『国民体育大会』通称『国体』です。

『国体』とは、各都道府県の様々な競技で得点を競い合う日本最大のスポーツ大会です。そして国体の数日後には『全国障害者スポーツ大会』も同県で開催されます。

この国体は例年、開催都道府県が持ち回りとなっており、今年度は鹿児島県で予定をされています。

その鹿児島国体ですが、新型コロナウイルス感染防止のため、中止or延期が検討されている段階に入っています。

インターネットニュースや新聞では連日取り上げられていますが、鹿児島県の意向としては『延期』の方向で考えているようです。

10月3日~13日が国体、10月24日~26日が全国障害者スポーツ大会の予定ですが、この時期で年度内に『延期』ができるものでしょうか?

寒くなり始める時期であり、感染防止のための延期は何か月?真冬に開催するの?

現実を考えると『1年以上延期』が妥当ではありますし、鹿児島県は1年延期を要望しています。

1年延期となった場合、いったいどのようなメリット・デメリットが出てくるのでしょうか?

元国体運営関係者の私の視点でメリット・デメリットを考慮し、『本当に1年延期できるのか?』を語っていきたいと思います。

目次

鹿児島国体1年延期のデメリット

メリットから話していきたいところではありますが、デメリットの方が多すぎるためこちらからお伝えしていきます・・・。

すでに数年先まで開催県が決定している

2021年には三重県、2022年は栃木県、2023年佐賀県、2024年滋賀県・・・というふうに、実際に開催県が数年先まで決定しています。

正式には2年後の栃木県までが決定しており、2023年以降は現段階での開催予定です。

以前国体の運営に携わっていましたが、国体開催が決定してから(細かく言うと正式決定する前年くらい)様々な業務が動き出します。

国体運営局、全国障碍者スポーツ大会運営局が設立され、様々な活動を行い始めます。

どのような業務内容があるのかをざっと紹介します。

競技力向上(開催県が総合得点で優勝を取れるように、アスリートの競技力を向上させるための業務)
開閉会式関係業務(国体の開閉会式は県民総出で華やかに行われます)
企業協賛業務
広報業務
運営全般業務
県民運動業務
会計事務業務
などがあります。
※各業務でさらに細分化されるため、莫大な費用と人材が必要となります。
このように開催数年前には各都道府県単位で業務が始まります。

財源の確保が難しい

1年延期となった場合に真っ先に困ることは、やはり『財源の確保』です。
例えばこちら・・・三重国体HPより引用
2021年三重とこわか国体・三重とこわか大会のロゴマーク(三重国体HPより引用)
2022年いちご一会とちぎ国体・とちぎ大会のロゴマーク(栃木国体HPより引用)
すでに2年先の国体のロゴマークができています。(おそらくその後の佐賀でも)
この国体のロゴマーク、イメージキャラクターがいますよね?
このキャラクターの着ぐるみやぬいぐるみ、様々な商品に使われています。
今年の鹿児島国体が『1年延期』となった場合、これらのロゴマークが全て変更になります。
三重の『とこまる』、栃木の『とちまる』の体にも『2021』や『2022』という数字が入っているため、これも変えなければなりません。
また、国体関係は都道府県全体で協力して開催するということが目標であるため、各企業に協賛を依頼し財源を確保します。
しかし新型コロナウイルス関係で、休業要請をされたり、客が激減したため売り上げが全くなかったりして、企業側も非常に厳しい状況になっています。
そんな中、『延期でお金がかかるから協賛金をください』とお願いができるのか?
私が企業側であれば『NO!!』と断ります。
国体よりも従業員の生活保障のほうがよっぽど大切ですから・・・。

アスリート支援が大変

開催県は天皇杯・皇后杯を獲得するために、優秀なアスリートを日本中から集めてきます。
天皇杯・皇后杯とは、各都道府県対抗で競技の順位に応じた得点が入り、その得点を競い合って総合得点1位に与えられるものです。

各都道府県内の企業や各都道府県職員として、練習時間を確保した上で採用しているところが多いです。
1年延期になった場合、アスリートを雇う期間も延長される上、アスリートとしても調整が難しくなります。
しかも2021年に延期になった東京オリンピックも控えた状況で、国内最大のスポーツ大会とはいえ参加をしてくれるのかも疑問です。

会場関係はどうなるのか?

開催が決定した段階で、競技会場を確保することが必要となります。
国体は『正式競技』『デモンストレーション競技』『公開競技』など、数十種目が県内各地で開催されます。

また、国体とセットになっている全国障害者スポーツ大会も同様に、様々な競技があるため、会場を確保するための費用もかかってきます。

例えば、来年開催予定の三重県では鈴鹿市に『鈴鹿サーキット』という国際的なサーキット場があります。
もしF1の大会が開催時期と重なっていたらどうなるのでしょう?
渋滞は大丈夫か?F1とのやり取りはスムーズにいくのか?そもそもどちらを優先するのか?

課題は山積みになります。

1年延期のメリット

次に1年延期した場合のメリットをいくつか挙げてみましょう。

鹿児島県民やスポーツ界にとってはありがたい

鹿児島県民はこの国体のために数年前から大変な準備時間と費用をかけてきました。

県民が元気になるように、県内が明るくなるように、県民力を結集し鹿児島県が一つになるように、鹿児島県の魅力を全国へ広めること・・・などなど、様々な思いを持ち開催を心待ちにしていたはずです。(私も以前そうでしたので)

中止と延期の違いはその部分にあります。

中止となれば準備や費用、努力の成果が全て水の泡・・・県としてこんなことは許せません。
しかも今回は『不測の事態』ですので、もし中止となった場合はやり場のない気持ちがたくさん出てくることでしょう。

各都道府県持ち回り=約半世紀に1度の国体・・・となるわけです。

是が非でも開催したいという都道府県が多いことが現状です。

国体の今後の見本にもなる

『1年延期をした』ということは、今後このような『不測の事態』を迎えた時に、この『延期したことがある』という経験が必ず活きてきます。

国体は今まで延期したことがありません。故に、今回の1年延期案に難色を示しています。

過去に一度でも延期したことがあれば、『不測の事態』に対しての対応策もできてきます。

この経験や対応策があるということは、今後の国体開催において大きな意味を持つことになります。

終わりに

私はこの国体は選手として出場経験があり、また以前は運営者としても関わってきました。
『じゃあ中止か延期のどっちがいい?』と聞かれると、残念ながら『中止』の一択です。(鹿児島県民のみなさんごめんなさい・・・)
理由はデメリットの部分でもあげましたが、1年延期することによって来年以降の開催県全てに多大な労力と費用を出させることになるからです。

準備の大変さや、終わった後の充実感・感動を経験しているので『中止になる』という辛さももちろんわかった上での判断です。

現在、おそらく鹿児島県の大会関係者は大忙し。

来年以降の開催県である三重県や栃木県に『1年延期』をお願いしていることが目に浮かびます。

6月中に決定される方向で話を進めているそうですので、今後の情勢を注視していきましょう。

僕

何にせよ、鹿児島県の大会運営関係者の方々、今は特に大変な時期ですがこれを乗り越えると今まで味わったことのない達成感が待っています!!
鹿児島県が一つになり、最良の決断ができることを願っています。
頑張ろう鹿児島!頑張ろう日本!!

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